とじる

KidZania Japan

トークセッション「食品ロス問題を考える」

2022年7月26日

こども達のアクション宣言じっせきレポート

ゲスト
株式会社フードロスバンク 代表取締役社長
山田 早輝子 様

アメリカ、イギリス、シンガポールで18年すごす中で、じぜん活動に長く取り組み「フードロスバンク」を創設したほか、日本ガストロノミー学会の設立代表として任命され、持続可能な食(サステイナブルガストロノミー)プロジェクトを中心に活動中。

キッザニア
KCJ GROUP株式会社 事業開発部 シニアエキスパート
エリオット・コンティ

フードロスバンクの事業について

山田 : 日本では食べられる状態の食りょうが、年間約570万トンも食品はいき物になっています。これは世界の人々が食りょうしえんをしている量の、約1.5倍にもなります。フードロスバンクは、食品ロスをへらすことから始まるかんきょう改善を目指し、設立されました。

エリオット : すばらしい取り組みですね。このような活動をはじめられたきっかけは?

山田 : 世の中がコロナになったときに、レストランが困っていること、またその先の生産者さんたちもとても困っていることを知りました。日本の食品ロス問題に向き合っていくため、また世界の課題と企業の成長との両方を実現するために、会社を立ち上げることにしました。

食品ロス問題とこども達の声

食品ロス問題とこども達の声

エリオット : なるほど、よくわかりました。キッザニアは、「世界を救う主役は、こども達だ。」との理念でSDGsに取り組んでいますが、山田さんは、会社の経営者として、こども達の声の大切さをどのように考えていますか?

山田 : 私の会社は多様性を大切にしています。異なる年代の多様性もとても大切だと思っています。視点も、育つかんきょうもちがう年令の人たちから教えていただくことは、会社にとって意味があります。こども達は大人にはない発想を持っていて、会社にはその発想を実現するための組織や資金があります。お互いに交流を持つことで、お互いが学びあえると考えています。

エリオット : おっしゃるとおりですね。私たちキッザニアも、こども達の疑問や発想の中には、たくさんのヒントがつまっていると考えています。こども達の声に耳をかたむけて、より良い未来につなげていくのは、大人たちの役割だと思います。

山田 : そうですね。次世代のかたたちのためにしたことは、結果として自分たちに返ってくると思います。

食品ロス問題への取り組み

食品ロス問題への取り組み

エリオット : 食品ロス問題に取り組むときに、より価値を高めるために工夫していることはありますか?

山田 : スティーブ・ジョブズ(アップル社の創業者)の言葉で「(経験の)点と点をつないでいくことで創造性が生まれる」というものがあります。ひとつのことをずっと経験していくと、線になって深くなっていく。いろいろな活動や経験を、業種をこえて行っていくと、それが線ではなく面になっていきます。私の場合は、食の仕事やエンターテインメントの仕事など、業種や国をこえた経験をしていくことで、新たな価値を生み出すことができていると考えています。

食品ロスを減らすために大切なこと

エリオット : 日本では食品ロスが570万トンも出ているという問題をお聞きしましたが、そのほかに、日本ならではの問題はありますか?

山田 : もともと日本には「もったいない文化」がありました。にもかかわらず、食品ロス大国になってしまったのはなぜでしょうか。そこには、一人ひとりが「自分の問題としてとらえていない」問題があると感じています。570万トンというと「コンビニでしょ?」「レストランでしょ?」と思われる人が多いと思いますが、実は家庭から出ている量が約半分もあります。私たちが食べ残したり、買いすぎてしまったりしたことが原因なのです。「自分の問題として考えること」「一人ひとりの力を信じること」がとても大切です。

山田 : キッザニアのイベントでこども達が「食品ロス」に関心が高いことがわかり、とてもうれしく思いました。大人たちや会社も、こども達と力を合わせて解決していけると良いなと思います。

食品ロスを減らすために大切なこと