とじる

KidZania Japan

コスモポリタンキャンパス
「福岡テクノロジー人材創生塾2024~未来を拓く宇宙コース~」中学生プログラムレポート

2025年1月31日

コスモポリタンキャンパス「福岡テクノロジー人材創生塾2024~未来を拓く宇宙コース~」中学生プログラムレポート

キッザニア福岡で行われた中学生向けプログラム
コスモポリタンキャンパス「福岡テクノロジー人材創生塾2024~未来を拓く宇宙コース~」
福岡県内23の中学校から38名の生徒が参加し、最終日にはチームごとにプレゼンテーションを行いました。

DAY 1 / 10月8日(火)中高生合同

【キックオフ】 宇宙ビジネスの基そを広く学ぶ

KDDI株式会社 先端技術企画本部 シニアエキスパート 市村周一氏
コースの目的や全体像などを共有した上で、参加者のきん張感を和らげ、参加意欲を高めるためのアイスブレイク「NASAゲーム」を行いました。その後、市村周一先生による講演「宇宙ビジネスへの挑戦」 にて宇宙ビジネスとはどのようなものか、はば広く学び、今後のプログラムにおける土台を作りました。

【キックオフ】 宇宙ビジネスの基そを広く学ぶ

DAY 2 / 10月23日(火)中高生合同

【基そ学習】衛星開発・製造を知る

株式会社QPS研究所 代表取締役社長 CEO 大西 俊輔氏
オガワ機工株式会社 取締役副社長 伊藤慎二氏("e-SET"宇宙プロジェクトチームメンバー)

福岡県を中心とする九州の豊かなエコシステムと小型衛星を使った観測技術の活用で可能性が拡がる宇宙ビジネス分野について、連けいしあう2つの会社の方にそれぞれの観点からお話しいただきました。最先たんのSAR衛星技術や小型衛星製作プロセスをクイズやチームでのワークを交えながら楽しく学びました。

【基そ学習】衛星開発・製造を知る

DAY 3 / 10月29日(火)中高生合同

【基そ学習】 データ利活用の実せんを知る

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 衛星利用運用センター 主任研究開発員 濱本 昂氏
株式会社Tellus コーポレート部 PRチーム 菅谷 智洋氏
株式会社Fusic 先進技術部門 エンジニア 石橋 龍氏
オーシャンソリューションテクノロジー株式会社 代表取締役 水上 陽介氏

DAY 1での宇宙ビジネスの全体像理解、DAY 2での衛星開発・製造技術に関する学習をふまえ、データ利活用の実せんの現場におられる4名を招いてお話しいただきました。宇宙という場で取得したデータや技術が社会においてどのように活用されているのかをくわしく知り、宇宙ビジネスがより身近な存在になりました。

【基そ学習】 データ利活用の実せんを知る

DAY 4 / 11月2日(土)

【プレゼン準備】九州工業大学でのフィールドワーク

九州工業大学 革新的宇宙利用実証ラボラトリー 教授 北村 健太郎氏
DAY 4はキッザニア福岡を飛び出し、九州工業大学で宇宙工学に関する講義を受けたり、実際の衛星や試験センターを見学したりするフィールドワークを行いました。見学終りょう後は、最終日のプレゼン発表に向けて宇宙技術を利用した課題解決のアイデアソンを大学生・院生の助けを得て行いました。

【プレゼン準備】九州工業大学でのフィールドワーク

DAY 5 / 11月12日(火)

【ファイナルプレゼン】発表と表しょう・修りょう式

最終日は、プログラムの集大成としてDAY 4で考案したアイデアをチームごとにプレゼンしました。全8チームの発表を受け、講師の方々による講評やそれぞれに合ったチーム賞の発表を行いました。修りょう証の授よも行われ、最後は記念さつえいでプログラムをしめくくりました。

【ファイナルプレゼン】発表と表しょう・修りょう式

発表

サステナブルな社会を実現するため、宇宙技術を使ったアイデアを考え発表しました。

<チームA:グッドソリューション賞>
「課題:まちの治安改善」

課題:まちの治安改善

まちの治安改善のため、通信衛星を活用したドローンの制ぎょアイデアを考案しました。犯罪面では、警察と連けいしながら、人工衛星観測にて犯罪者を特定し、ドローンが追せきをします。災害面でも、災害の状きょうや映像のリアルタイムな提供をし、ひ難をうながしたり、ひ難ができていない人を探したりすることに役立ちます。

<チームB:テクノロジー賞>
「課題:海洋ごみ」

課題:海洋ごみ

海洋ごみ問題を解決するため、SAR衛星などの地球観測衛星から得られる画像データを活用した「S³DC」という宇宙ビジネスを考案しました。まず、画像データに対しAI技術を使い海洋ごみのある場所を洗い出します。次に海洋ごみを回収・再利用して再生プラスチックとしてはん売します。こうして利益を発生させ持続的に事業を行いつつ問題を解決したいと考えました。

<チームC:グッドソリューション賞>
「課題:山火事問題」

課題:山火事問題

山火事問題を解決するため、①SAR衛星を発展と上国にふきゅうさせ、山火事の早期発見と対応を可能にする②火災多発地域のセンサー等をもとに火災を予測する③気象衛星でのかんそう・気象情報のモニタリングをする の3つのアイデアを考案しました。これらのアイデアは、衛星を使用しているので通信のけん外地域でもすぐに情報を届けることができます。

<チームD:ムーンショット賞>
「課題:宇宙ごみ」

課題:宇宙ごみ

宇宙ごみ問題を解決するため、宇宙ごみの接近を予知し、しょうとつを回ひするシステムを考案しました。ターゲットは、主に人工衛星を打ち上げている会社です。このシステムがあれば、打ちあげられたデブリ観測器がカメラとレーザーセンサーを用いて衛星やデブリの位置を測定して本部に送信し、き道を予測しながらデブリのみ回収、衛星をそのままき道にもどして再利用することができます。

<チームE:ナイスプレゼンテーション賞>
「課題:遠かく医りょう」

課題:遠かく医りょう

遠かく医りょうを発展させるため、「五感が全て伝わる」「リアルタイムで」「記録可能」という特ちょうを持った「Dr.ロボ」を考案しました。医師とかん者の間を、人工衛星をかいし通信することで通信かん境が整い、遠かく医りょうが円かつに提供できるようになります。もし「Dr.ロボ」が実現すれば、病気の早期発見や医師不足の解決にもつながるだろうと考えました。

<チームF:ナイスプレゼンテーション賞>
「課題:海面上しょう」

課題:海面上しょう

海面上しょうが原因となって起こる赤潮の発生を止めるためのアイデアを考案しました。まず、人工衛星で海面をかん視し、色素観察と熱赤外線センサーの技術を用いてAIで赤潮を予測します。その後空中ドローンを使い薬(かん境にえいきょうが少ないもの)を散布することで酸素が増え、赤潮を解決できると考えました。

<チームG:グッドソリューション賞>
「課題:食りょう問題」

課題:食りょう問題

食りょう問題を解決するため、「農作物の生産性向上とはいき数の減少」をかなえるアイデアを2つ考案しました。①Growth Watcherをく使し、農作物の発育状きょうがだれでも簡単に見ることができるシステム②Starlinkを利用した高れい者向けの遠かく操作農業 です。これらを活用することで農業が発展し、食りょう不足によるきがの解決につながると考えました。

<チームH:テクノロジー賞>
「課題:大気お染」

課題:大気お染

大気お染問題を解決するため、「大気のよごれを観測・配信できるアプリ」と「宇宙での太陽光発電」のアイデアを考案しました。アプリでは、データ中けい衛星を使って観測した大気の情報を配信することで、工場も住民も大気お染に対する意識を高めながら行動することができます。また、太陽に近い宇宙にて太陽光発電を行うことで、効率的かつかん境に良いものになると考えました。

総かつコメント

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 衛星利用運用センター 主任研究開発員 濱本 昂氏
参加者のみなさん、おつかれ様でした。どのチームも短期間でたくさん調べて、具体的な解決策、宇宙や人工衛星の利用方法をまとめてくれ、大変おどろきました。
「課題から考えていく」というのは実は非常に大事なアプローチで、私自身の仕事でもその考えは重要になっています。例えば、宇宙を使うことありきの考えにとらわれてしまうと、実は宇宙を使わなくても他の方法でもっと簡単に安くできることがあります。そうなると、利用者のためにならなくなってしまうので、課題からスタートしてそこにどう技術を活かせるか考えていくことは、宇宙に限らずどんな技術においても大変重要なのです。
また、技術を使っていくうえで、「それはできないんじゃないか」と思うこともあるかもしれませんが、その考えも大事です。今なにができていないのか、何ができるようになれば利用の可能性が広がるのかぜひ考えてみましょう。
今回、宇宙や衛星に興味をもつきっかけになったと思うので、より知識を深め、みなさんが宇宙を関連したビジネスのたちあげや衛星の開発などしていってくれるとうれしいです。

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 衛星利用運用センター 主任研究開発員 濱本 昂氏

九州工業大学 革新的宇宙利用実証ラボラトリー 教授 北村 健太郎氏
みなさん発表おつかれ様でした。5日間を通して様々な課題を解決するアイデアを考えてもらいました。課題を考える際、「これは中学生に難しいかな」と思いましたが、みなさんにはじゅうなんな発想があるだろうと思い、たくしてみました。その結果、よく調べて面白い提案をしていただけました。九工大でもお話させていただき、濱本さんからもありましたが、課題から入るのが大変重要です。課題から入り、そのためにどんな技術が必要かで何を解決しなければいけないのか、大きな目標から順々にやるべきことを細かくわけていく考え方が大事になってきます。その過程をみなさんには実せんしてもらったということになります。
難しい課題に対してよく考えてアイデアまでこぎつけました。それぞれの課題は深い問題で、宇宙に関わらず今後考えていかなければいけません。宇宙技術はどんどんしき居が下がり、宇宙産業も大きく変わっていることから、みなさんが社会にでるころにはまたちがった産業構造になっている可能性が大いにあります。状きょうが変化していくなかで、じゅうなんに対応し、社会の課題を解決しつつビジネスにつながっていく、そんなみなさんに期待しています。

九州工業大学 革新的宇宙利用実証ラボラトリー 教授 北村 健太郎氏

「コスモポリタンキャンパス」はこれからも正解のない時代をたくましく生きる力をこども達に育んでもらえるよう、プログラムをじっししていきます。


共催:福岡県
後援:一般社団法人 九州経済連合会
協力:宇宙航空研究開発機構(JAXA) /
オーシャンソリューションテクノロジー(株) /
九州工業大学革新的宇宙利用実証ラボラトリー / (株)QPS研究所 /
KDDI(株) / (株)Tellus / (株)Fusic